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高血圧にも効く野菜スープ

前田 浩先生(抗がん剤の世界的権威)の野菜スープは高血圧にも効く!

前回ご紹介した患者さんから新しいメイルが来ました。
「術前の抗がん剤治療を1-2週間受け、その後手術を行い、術後抗がん剤治療を半年受ける
予定となり、 術前より、術後の半年が大変かも知れない、という説明を受けました。」とのことでした。私は、「漢方薬、野菜スープなどに抗がん剤の副作用を減少させてくれる力があるようですよ」とお話しました。

丁度4年前(2017年11月)、私は、75才の誕生日を迎えるにあたって、がん検診を受けておこうと思い立ち、国立がん検診センターでがん検診を受けました。いつも患者さんには“がん検診は受けていますか?”とお勧めしているのに、私自身はその時が初めてでした。幸いがんは見つかりませんでしたが、軽い糖尿病と「ちょっと血圧が高めですね」と言われました。それでは、がんにも血圧にも予防に結び付くような何かを始めようと考えていた時に、書店で前田浩先生の「抗がん剤の世界的権威が直伝!最強の野菜スープ」という本に出合いました。
帯の部分には“がん予防には野菜スープが一番!高血圧、糖尿病、白内障、アトピー、シミも改善!”と書いてありました。立ち読みをして、「はじめに」を読んだところから、これは面白そうと実感し、購入。優しい文体ですので、一日で読み切り、早速野菜スープを始めました。まず、驚いたのは、明らかに血圧が安定したこと。スープを飲む前の収縮期血圧は140を少し超えることがありました。飲み始めて、3ケ月を過ぎた頃には、収縮期血圧は、常時、110~120になりました。一つ、気が付いたことは、舌の味覚に変化が起きていたことです。今までの塩加減では塩辛いと感じ、我が家のお塩の消費量はどんどん減りました。また、甘さにも敏感になり、お砂糖の消費量も減りました。直感的に、「これは、更年期から始まる女性の血圧上昇や、高血糖に有効な手段となるのではないか」と考えました。

外来を受診された更年期前後の女性に「私は30代では低血圧だと言われたんですけど、40代で血圧が急に上がってきたのは何故ですか?」と、よく聞かれます。皆さん強い頭痛でもない限り、血圧を気にすることは普段ないですね。また、血圧が高くなると、多くの方は「腎臓がわるいのでしょうか?」と質問されます。確かに腎臓は毛細血管が毛糸玉のようになった糸球体がその機能を支えていて、腎臓病では血圧も上がります。また、加齢に伴い、腎臓の血管にも動脈硬化が起こりますから、加齢とともに徐々に血圧も上昇します。しかし、血圧の上昇は、腎臓によるものだけではないのです。この図1を見ますと、女性では40代から急カーブで血圧が上がってくるのが分かりますか。

血圧を左右する因子は、血管の硬さと心臓から送り出される血液の量です。血管の硬さは男女とも加齢とともに進みます(動脈硬化)。しかし、動脈硬化は抗動脈硬化作用を有するエストロゲンに大きく左右されますので、閉経前は、男性に比べ高いエストロゲンを有する女性では、血管は柔らかく、動脈硬化も進みません。閉経後は、エストロゲンの消退とともに、全身の血管の拡張能力が衰え、動脈硬化が急速に進み、さらに腎臓における利尿作用の低下も生じ、血圧が上昇し、70代になると、血圧における男女の差がなくなります。

 

また更年期の血圧の特徴として、視床下部における血圧中枢のコントロールが乱れることによる、血圧の乱高下もよく見られます。患者さんが「先生!血圧が180まで上がってます。」と切羽詰まった声で電話をかけてこられることがありますが、私は「横になって、寝ながら腹式呼吸をして、30分経っても血圧が高いようだったら、また連絡を下さい」とお話します。更年期前後の血圧の激しい上昇・下降は多くは一過性です。どうしても心配というときは二次性高血圧(副腎腫瘍など)ではないでしょうかと高血圧を専門とする医師を受診し、検査・診断をお願いして下さい。

 

参考までに、日本高血圧学会による正常血圧から重度の高血圧までの基準値(図2)ならびに薬を始める前に患者さんに努力して変えていただきたい生活習慣項目(図3)を上げておきます。

 

 

 

現在、私は、閉経前後から血圧が上がってきたと言われる患者さん、いつ血圧が上がってきたのか分からないけれど、薬の前に生活習慣の改善をして様子を見たいと言われる方々に、野菜スープを勧めています。

 

次回は野菜スープについての第2弾です。

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