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オミクロン株について

女性外来オンラインJGO会員ならびにブログを読んでくださっている皆様へ

 

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

 

12月末からじわじわとオミクロン株によると思われる感染者数が増えています。今までの第1波から第5波までのコロナ感染者数の推移を見てみますと、毎回上昇し始めてからほぼ4か月で収束するというサイクルのように見えます。

 

 

 NHKが14日午前3時時点でまとめたところによると、オミクロン株の感染は、日本を含め世界の65の国と地域で確認され、短期間に全世界に急拡大しているとのことです。

WHO=世界保健機関は、オミクロン株の市中感染が確認されている国では、感染者数が倍増するまでの時間が1.5日から3日と速くなっているとしていて、テドロス事務局長は12月20日の記者会見で「デルタ株よりも著しく速いスピードで広がっているという一貫した証拠がある。ワクチンを接種した人や感染して回復した人が感染することもあるようだ」と述べ、警戒を呼びかけています。南アフリカでは、再感染のリスクが11月にはそれ以前と比べて2.39倍になっているとする研究報告があり、WHOも、データがさらに必要だとしていますが、初期段階のデータでは再感染のリスクは上がっているとみられるとしています。

 

オミクロン株の重症化率については、アメリカのCDC=疾病対策センターが、12月10日に出した報告では、アメリカ国内でのオミクロン株の症例は多くが軽症だとしています。しかし、慶応大学医学部 小崎健次郎教授によれば、オミクロン株では、感染するときの足がかりになる表面にある突起部分、「スパイクたんぱく質」にある変異がおよそ30と、デルタ株などの3倍ほどあるほか、ウイルスが増殖する際に必要な酵素に関わる遺伝子の変異も起きているということです。感染した場合に重症化するのか、それとも軽症でとどまるのか、まだまだ、詳しく調べる必要があるようです。

 

私たちが一番知りたいオミクロン株に対するワクチン効果については、「スパイクたんぱく質」にある変異が多いことが、ワクチンの有効性に大きな影響を与えるのではないかと懸念されていますが、コロナmRNAワクチンを開発したファイザーやモデルナは、3回目の接種を行うことで、ウイルスの働きを抑える中和抗体の値は上がり、オミクロン株に対しても十分な効果が期待できるとする実験の結果を発表しています。

 

アメリカの製薬大手ファイザーとドイツのビオンテックは2021年12月8日、共同開発した新型コロナウイルスワクチンのオミクロン株に対する効果について、研究室で行った初期的な実験結果を発表しました。それによりますと、ワクチン接種を受けた人の血液中にあるウイルスの働きを抑える中和抗体の効果は、2回の接種を受けた人では、従来のウイルスに対する場合と比べ大幅に減少していました。しかし、3回目の追加接種を受けた人では、中和抗体の効果は2回接種の場合の25倍になり、従来のウイルスに対する効果と同じ程度に高まっていたということです。

 

モデルナは2021年12月20日、新型コロナウイルスワクチンのオミクロン株に対する効果について、研究室で行った初期的な実験結果を発表しました。それによりますと、ワクチンの接種を2回受けた人の血液中では、ウイルスの働きを弱める中和抗体の効果が、オミクロン株に対しては従来のウイルスに比べて低下していました。しかし3回目の追加接種を受けたあとでは、中和抗体の効果は大幅に上昇し、日本やアメリカで3回目の接種に使われる50マイクログラムの接種ではおよそ37倍になったほか、最初の2回の接種と同じ100マイクログラムではおよそ83倍になったということです。

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