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今年は明るい年にしたいと誰もが思っていたことでしょう。ところがふたを開けてみると、あれよあれよという間に、コロナ感染者数が増加し、1月4日に東京・神奈川・埼玉・千葉の1都3県に対し「緊急事態宣言」が発出されました。その後もコロナの勢いは衰える様子がなく、1月13日には、政府は、新型コロナウイルスの感染が全国に広ひろがっているとして、「緊急事態宣言」の対象地域に、新に福岡、兵庫、大阪、京都、愛知、岐阜、栃木の7府県を追加すると表明しました。期間は東京などと同じ2月7日までです。これにより、対象地域は3大都市圏を含めた計11都府県となりました。

私の外来でも、コロナウイルス感染不安症の患者さんが増え始めています。

 

昨年は、コロナウイルスに始まり、コロナウイルスに終わる1年でしたが、悪いことばかりではなかったと思っています。全世界が地球環境を壊すことの危険性を認識したのではないでしょうか。自然界には、最大82万7千種類のヒトに感染する可能性を持つ未知のウイルスが存在すると、世界の科学者が参加する政府間組織「生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム」が公表しています。その報告書によると、新型コロナウイルスを含め、過去にパンデミックを起こした感染症は、ほとんど動物と人がともに病原体に感染する「人獣共通感染症」で、森林伐採をはじめ土地利用の変化や、食用や薬用のための取引・消費等によって、野生動物や家畜、人の間で接触が増えているのが原因と考えられるとのことです。コロナウイルスにより、昨年の7月までに全世界で被った経済的損失は8兆ドル~16兆ドル、一方、野生生物の取引や土地利用の変化を抑制する等、パンデミックを予防するためのコストは177億ドル~269億ドルとも予測しています。パンデミックは、人間の欲望が留まるところを知らず、地球の破壊がどんどん進んでいることが主たる原因と考えられます。現状を、何とか変えないことにはパンデミックが繰り返されることになるのは確実です。

 

私たちが今できることは、自分が感染者となり、さらに感染者を増やすことのないように気を付けること!ここで、一旦、新型コロナウイルス感染症の基礎編に戻りましょう。首相官邸のホームページに行きますと、とても分かりやすいメッセージが掲載されています。今回は、それを紹介したいと思います。

タイトルは、「新型コロナウイルス感染症に備えて ~一人ひとりができる対策を知っておこう~」です。わかりやすいように少し編集を加えてありますが、下記のような内容です。

1.新型コロナウイルス感染症について

コロナウイルスとは:コロナウイルスには、一般の風邪の原因となるウイルスや、2003年に流行した「重症急性呼吸器症候群(SARS)」や2012年以降発生している「中東呼吸器症候群(MERS)」ウイルスがあり、現在流行しているのが「新型コロナウイルス(SARS-CoV2)」です。

どうやって感染するの?

ウイルスは自分自身で増えることができず、粘膜などの細胞に付着して入り込み増えます。健康な皮膚には入り込むことができず表面に付着するだけと言われています。表面についたウイルスは時間がたてば壊れてしまいますが、物の種類によっては24時間~72時間くらい感染する力をもつとも言われています。流水と石けんでの手洗いや手指消毒用アルコールによって感染力を失わせることができます。

新型コロナウイルスの感染の仕方については、現時点では、飛沫感染(ひまつかんせん)と接触感染の2つが考えられています。

1)飛沫感染: 感染者の飛沫(くしゃみ、咳(せき)、つば など)と一緒にウイルスが放出され、他者がそのウイルスを口や鼻から吸い込んで感染します。

※感染を注意すべき場面は、屋内などで、お互いの距離が十分に確保できない状況で一定時間を過ごすとき。

2)接触感染: 感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、自らの手で周りの物に触れると感染者のウイルスが付きます。未感染者がその部分に接触すると感染者のウイルスが未感染者の手に付着し、感染者に直接接触しなくても感染します。

※感染場所の例としては、電車やバスのつり革、ドアノブ、エスカレーターの手すり、スイッチなどです。

2.一人ひとりができる新型コロナウイルス感染症対策は?

新型コロナウイルスに感染しないようにするために

感染経路の中心は飛沫感染及び接触感染です。人と人との距離をとること(Social distancing; 社会的距離)、外出時はマスクを着用する、家の中でも咳エチケットを心がける、さらに家やオフィスの換気を十分にする、十分な睡眠などで自己の健康管理をしっかりする等で、自己のみならず、他人への感染を回避するとともに、他人に感染させないように徹底することが必要です。

また、閉鎖空間において近距離で多くの人と会話する等の一定の環境下であれば、咳やくしゃみ等の症状がなくても感染を拡大させるリスクがあるとされています。無症状の者からの感染の可能性も指摘されており、油断は禁物です。

これらの状況を踏まえ、「3つの密(密閉・密集・密接)」の回避、マスクの着用、石けんによる手洗いや手指消毒用アルコールによる消毒や咳エチケットの励行などをお願いします。

「3つの密(密閉・密集・密接)」の回避

感染を予防するためには、基本的な感染予防の実施や不要不急の外出の自粛、「3つの密」を避けること等が重要です。1.密閉空間(換気の悪い密閉空間である)、2.密集場所(多くの人が密集している)、3.密接場面(互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や共同行為が行われる)という3つの条件のある場では、感染を拡大させるリスクが高いと考えられています。また、屋外でも、密集・密接には要注意。人混みや近距離での会話、特に大きな声を出すことや歌うこと、激しい呼気や大きな声を伴う運動は避けましょう。

手洗い

ドアノブや電車のつり革など様々なものに触れることにより、自分の手にもウイルスが付着している可能性があります。外出先からの帰宅時や調理の前後、食事前などこまめに石鹸で手を洗いましょう。アルコール消毒をしましょう。洗っていない手で目や鼻、口などを触らないようにしてください。

 

咳エチケット

咳エチケットとは、感染症を他者に感染させないために、咳・くしゃみをする際、マスクやティッシュ・ハンカチ、袖、肘の内側などを使って、口や鼻をおさえることです。
対面で人と人との距離が近い接触(互いに手を伸ばしたら届く距離でおよそ2mとされています)が、一定時間以上、多くの人々との間で交わされる環境は、リスクが高いです。感染しやすい環境に行くことを避け、手洗い、咳エチケットを徹底しましょう。

3.新型コロナウイルス感染症が疑われる方へ

発熱などのかぜ症状がある場合は、仕事や学校を休んでいただき、外出やイベントなどへの参加は控えてください。休んでいただくことはご本人のためにもなりますし、感染拡大の防止にもつながる大切な行動です。そのためには、企業、社会全体における理解が必要です。厚生労働省と関係省庁は、従業員の方々が休みやすい環境整備が大切と考え、労使団体や企業にその整備にご協力いただくようお願いしています。

咳などの症状がある方は、咳やくしゃみを手でおさえると、その手で触ったドアノブなど周囲のものにウイルスが付着し、ドアノブなどを介して他者に病気をうつす可能性がありますので、咳エチケットを行ってください。

新型コロナウイルスへの感染が疑われる方は、最寄りの保健所などに設置される「受診・相談センター」にお問い合わせください。特に、以下のいずれかに該当する場合には、すぐにご相談ください。(これらに該当しない場合の相談も可能です。)

息苦しさ(呼吸困難)、強いだるさ(倦怠感)、高熱等の強い症状のいずれかがある場合

高齢者、基礎疾患(糖尿病、心不全、呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患など))がある方や透析を受けている方、免疫抑制剤や抗がん剤などを用いている方で、発熱や咳などの比較的軽い風邪の症状がある場合

上記以外の方で発熱や咳など比較的軽い風邪の症状が続く場合

(症状が4日以上続く場合は必ずご相談ください。症状には個人差がありますので、強い症状と思う場合にはすぐに相談してください。解熱剤などを飲み続けなければならない方も同様です。)

「受診・相談センター」では、皆さまから電話での相談を受けて感染が疑われると判断した場合には、帰国者・接触者外来へ確実に受診していただけるよう調整します。その場合には、同センターより勧められた医療機関を受診してください。複数の医療機関を受診することは控えてください。

同センターで、感染の疑いがないと判断された場合でも、これまで同様かかりつけ医を受診していただけます。その場合、肺炎症状を呈するなど、診察した医師が必要と認める場合には、再度同センターと相談の上、受診を勧められた医療機関でコロナウイルスのPCR検査を受けていただきます。

是非、もう一度官邸から出されているコロナウイルス感染症の基礎の基礎について心にとめておいてください。

 

最後に一つ、私がやっている感染予防策をお話しします。これは、98歳で亡くなった私の父が私の子供のころからやっていたのを真似したものですが、鼻うがいです。コロナの感染が疑われるときに、PCR検査を行います。この検査は鼻から綿棒を入れて、鼻の奥の上咽頭の粘膜をこすって検体を採取します。上咽頭にはウイルスが体の中に入らないようにブロックしてくれるリンパ組織があります。この部分への感染は、感染の原因がウイルスであれ、細菌であれ、Iga腎症や慢性疲労症候群など重大な疾患を引き起こす原因となっています。体内に新型コロナウイルスが入ってから発症までの潜伏期は、4~5日、ウイルスの量は発症前後が最も多いと言われています。発症前にウイルスの増殖を防ぐには、上咽頭に付着したウイルスを洗い流すのが一番!毎日鼻うがいを続ければ、ウイルスが上咽頭に付着してもすぐに洗い流せるため、新型コロナウイルス感染の予防となります。

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