帯状疱疹(ヘルペス)に今まで罹ったことがないという方はいらっしゃいますか?
では水ぼうそう(水痘)に罹ったことはありますか?
帯状疱疹は、幼少期に感染した水ぼうそうのウイルスが、知覚神経節に潜伏感染をしていて、長い年月を経て、加齢・ストレス・抗がん剤治療などで私たちの免疫力が低下すると、活動を再開し、ウイルスが神経に沿って皮膚まで移動し、あのイヤーな痛みと発疹を生じるのです。50歳以上で発症率が増加し、80歳までに3人に1人が発症すると言われています。
1980年代に、アシクロビルを始めとする抗ヘルペスウイルス薬が登場して以来、帯状疱疹の治療成績は飛躍的に向上しました。しかし、現在でも様々な合併症や帯状疱疹後神経痛により長期にわたり苦しむ患者さんが少なくありません。
2014年10月に小児水痘ワクチンが定期接種化されて以降、水ぼうそうの流行は減少しました。2016年3月、厚生労働省は水痘ワクチン(弱毒化ウイルスの生ワクチン)が帯状疱疹の発症予防効果があるとして、50歳以上の成人に接種することを勧めました。しかし、帯状疱疹の発症予防効果は約50%でした。その後、2020年になり、帯状疱疹専用の不活化ワクチンが日本でも承認され、接種できるようになりました。2回接種で、費用は1回につき20000円、帯状疱疹の発症を95%ブロックします。自治体によっては公費で助成をしているところもあるようですので、聞いてみるといいでしょう。
ワクチン効果の持続期間については、今のところ明確な答えはないようですが、3~10年ぐらいで予防効果が減弱すると報告されています。