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日本を含め世界各国では「ワクチンで予防できる病気はすべて予防接種で防ぐ」という方針を打ち出しています。日本では、現在、予防接種法の定期接種として公費で受けられるものに、急性灰白髄炎(ポリオ)、B型肝炎、結核(BCG)、麻疹(はしか)、風疹、水痘(水ぼうそう)、季節性インフルエンザ(高齢者)などがあります。ワクチンがなかった1950年前後と現代を比べると、ポリオは年間に数百人~1000人いた死亡者数が0人に、麻疹も同数千~2万人いた死亡者数が10~20人に激減しています。これこそ予防接種の効果によるものです。

ワクチンの最大のメリットは、感染を予防できること。あるいは感染が原因による病気の重症化や後遺症の発生、死亡を防げることです。また、さらに多くの人が予防接種を受けることで集団免疫ができ、新たな感染者を減らすこともできます。

新型コロナウイルスワクチンの有効性は?

これについては、ファイザー社とビオンテック社のワクチン(BNT162b2)が95.0%、モデルナ社(mRNA-1273)が94.5%、アストラゼネカ社のワクチン(ChAdOx1)が標準容量で70.4%となっています。一般的な季節性インフルエンザウイルスのワクチンの有効率が50~60%くらいですので、それに比べればかなり高いといえます。

ワクチンを打つことによる副作用は?

予防接種では、接種後に生じたすべての望ましくない出来事を有害事象としていったん吸い上げ、そこから、ワクチン接種と因果関係があるものだけを選んで副反応としています。ワクチン接種をした場所で痛みが出たとか、腫れたとか、打った後に熱が出たり、だるくなったというのも、対照群と比べて多ければ副反応と考えられます。しかし、こうした反応が一定数起こるのは、ワクチン接種では避けられません。

新型コロナウイルス感染症のワクチンの開発に関わっている製薬企業が明らかにした臨床試験データでは、臨床試験の有害事象(2回目接種後)の頻度は次のとおりです。

 ・ファイザー社のワクチン(BNT162b2)/痛み78%(対照群は12%)、発熱(38℃以上)16%(0%)、倦怠感59%(23%)(16~55歳までのデータ)

 ・モデルナ社のワクチン(mRNA-1273)/痛み90.1%(18.8%)、発熱17.4%(0.4%)、倦怠感67.6%(24.5%)(18~64歳のデータ)

 

その後、一般にワクチン投与が開始されてから、アナフィラキシーショックについての報告が出ています。ファイザー社のワクチンでは、アメリカのCDC(疾病対策センター)によると、10日間・約190万回の接種で、21件のアナフィラキシーショックが報告されています。 モデルナ社のワクチンでは、CDCによると、約404万回の接種で、10件のアナフィラキシーショックが報告されています。 ちなみに、季節性インフルエンザワクチンでは、2018‐19年シーズンの予防接種では約5251万回の接種がありましたが、9例のアナフィラキシーショック例がありました。(厚生労働省の医薬品・医療機器等安全性情報)。

アナフィラキシーショックは、7~9割が接種後30分以内に発症していることから、日本の場合も接種後30分は別室で待機し様子を見ることになります。アナフィラキシーショックに対する対処法は確立していますので、必要以上に恐れることはありませんが、アレルギーまたはアレルギー反応の既往歴(医薬品、造影剤、食品、虫刺されなど)のある人が8割だったと報告されていますので、注意が必要です。米2社のワクチンは、主成分の遺伝物質(mRNA)を包む膜にポリエチレングリコール(PEG)を使用しています。PEGは歯磨き粉やシャンプー、化粧品などに広く含まれ、一部の人でアレルギーを起こします。化粧品に過敏な人、以前ワクチン注射で副反応が生じた人は注意が必要です。アナフィラキシーショックを経験している方は今回のワクチンを受けることができません。

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