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2021/05/16付け発行のメルマガ再掲記事です。

横浜市立大学からのうれしいニュースです(5月12日記者発表)。横浜市立大学の山中 竹春氏(学術院医学群 臨床統計学)らの研究チームが、ファイザー製新型コロナウイルスワクチンが、従来株のほか流行中のさまざまな変異株に対しても中和抗体の産生を誘導し、液性免疫の観点から効果が期待できることを5月12日の記者会見で報告しました。日本人のワクチン接種者111例(未感染:105例、既感染6例)を対象に、ファイザー製ワクチンの有効性を中和抗体(液性免疫)の保有率という観点から調査したものです。独自の迅速抗体測定システム『hiVNT 新型コロナ変異株パネル』1を活用して、CDC(米国疾病予防管理センター)が注意すべき変異株として公表している変異株7種(英国株:B.1.1.7、南アフリカ株:B.1.351、ブラジル株:P.1、インド株:B.1.617、カルフォルニア株:B.1.429、ニューヨーク株:B.1.526、由来不明株:R.1)と従来株(D614G)の計8株に対する中和抗体を測定しました。評価対象の未感染105例の平均年齢は42歳(範囲:24~67歳)。接種1回目と2回目の中和抗体保有率を表1に示しました。未感染者でワクチンを2回接種した人は、従来株に対しては99%の人が中和抗体を保有していました。また、流行中のN501Y変異を有する3つのウイルス株(英国、南アフリカ、ブラジルで初めて確認された株)に対しても、90〜94%の人が中和抗体を有していました。現在懸念されているインド由来の株に対しても、97%の中和抗体陽性率が報告されました。未感染者において、計8株すべてに対して中和抗体陽性であった人は、全体の89%(93/105)でした。
 今後も変異株のさらなる出現が予想されます。そのため、新たな変異株が登場した際に、それらに対する中和抗体の保有状況を集団レベルですみやかに調べ、既存ワクチンの有効性を評価できる手法が求められています。本研究で使用した中和抗体の迅速測定システム『hiVNT』は、元来の方法では通常72時間から1週間かかっていた中和抗体測定が3時間に短縮されるとのことです。

表1.ファイザー製ワクチン接種後中和交代保有率

第1回目 第2回目
従来株 57% 99%
英国株 18% 94%
南アフリカ株 21% 90%
ブラジル株 16% 94%
インド株 37% 97%
カルフォルニア株 39% 97%
ニューヨーク株 55% 98%
由来不明株 34% 97%

 

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