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あっという間に、「第4波の到来と思われる」との尾身先生の発言です。新型コロナウイルス感染再拡大の要因の一つが、感染力が強い「変異株」の流行です。厚生労働省は14日、感染力が強いとされる新型コロナウイルスの変異株について、自治体のスクリーニング(ふるい分け)検査で、疑い例が山形県を除く46都道府県で計3564人(13日時点)確認されたと発表しました。前週比で1525人(7~13日分)の増加です。大阪府と兵庫県で3分の1を占め、最も増え幅が大きかったのは319人増の東京都でした。国が感染拡大を懸念するのは英国、南アフリカ、ブラジル由来の変異株です。いずれも感染力が強いとされる「N501Y」の変異があります。疑い例のうちゲノム解析で確定したのは1341人(検疫200人を含む)で、英国由来が1076人、実に80%を占めています。

  • そもそも変異とは何が変わることでしょう?

 新型コロナウイルスの遺伝子は「RNA:リボ核酸」と呼ばれる物質で出来ています。RNAは4種類の塩基という化学物質が一列に並んだ構造をしていて、新型コロナウイルスのRNAは、全部で約3万個の塩基が並んでいます。ウイルスが増えるときにRNAもコピーされますが、その際、いくつかの塩基が別の種類に変わったり、抜け落ちたりします。コピーを間違えること、それが変異です。感染者が増えるほど生じた変異が引き継がれていくため、現在の新型コロナウイルスには多様な変異が存在することになります。今回のウイルスには複数の変異がありますが、注目されるのは、新型コロナウイルスの表面にある「スパイク」とよばれる突起のようなたんぱく質に関わるものです。これはウイルスがヒトの細胞に感染するときに、細胞表面の「ACE2」というたんぱく質と結合して、感染の足場とするはたらきがあります。注目された変異の一つは「N501Y」という変異です。ウイルスのタンパク質の501番目のアミノ酸がN(アスパラギン)からY(チロシン)に変わり、スパイクタンパク質が人の細胞と結合しやすくなったとされます。

南アフリカ(南ア)で広まる新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)変異株は英国で広まった変異株にはない484番目のアミノ酸がE(グルタミン酸)からK(リシン)に変化したE484K変異を併せ持っています。この変異は、ワクチンの効果を妨げる恐れがあると報告されています。

出典:https://www.tokyo-np.co.jp/article/96716

 

 昨年1月、国内で初めて感染が確認されたのは中国・武漢系統の株でした。武漢系統の株は消滅しましたが、同年3月ごろに始まった「第一波」は欧州から流入した株が引き起こし従来株とよばれています。そして現在、欧州系統の株が、N501Yの変異株に置き換わりつつあるのです。

  • 変異株への対策は?

 変異株は感染力の増強のほか、従来株よりも子どもへの感染が多いという特徴があります。14日の厚生労働省の発表でも感染者の年代別内訳は、10代未満100人、10代125人、20代225人、30代128人、40代158人、50代135人と報告されています。従来株と異なりワクチン接種の対象となっていない12歳以下の子供たちへの感染が危惧されます。私たちに出来ることは何か?たとえワクチン接種が順調に進んだとしても、政府には、現在は32%にとどまる新規感染者への変異株PCR検査を引き上げ、監視体制を強化するよう要望しつつ、人と人との接触を減らし、マスク着用、手洗いを徹底することでしょう。

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