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今日は11月8日、米国の大統領選挙は、共和党のドナルド・ジョン・トランプ(Donald John Trump、1946年6月14日 生まれ、74歳 )氏と民主党のジョセフ・ロビネット・バイデン・ジュニア(Joseph Robinette Biden, Jr.、1942年11月20日 生まれ、77歳)氏との間で激しい選挙戦が繰り広げられましたが、米国のメディアがいっせいにバイデン氏の当選確実を報道しました。

 

2020年10月22日に開催された大統領選前の最後の討論会は、新型コロナ対策を巡り激しい応酬が繰り広げられました。

 

1.大統領選前の最後の討論会

トランプ氏は“ワクチンの準備ができており、 数週間以内に発表があるだろう。ワクチンは「ワープ・スピード作戦で」軍が配布する。私自身がコロナに感染したが、すぐに回復し免疫を得た。感染拡大は峠を越えており、ウイルスは消えてなくなる”と発言しました。しかし、30日の米紙ニューヨーク・タイムズ電子版は、米国で21日から28日までの1週間に確認された新型コロナウイルス感染者が52万人に上り、再拡大が深刻化していると報じています。その後も一日当たりの感染者数は増え続け、2020年11月08日更新情報では、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染状況は死者233,292人、累積感染者数は9,504,758人、1日あたりに確認される新規感染者は116,780人、死者数は1,126人と報告されています。

 

バイデン氏の方は“あなたは、感染を抑制せず22万人の死者を出した。責任者として大統領の職にとどまるべきではない。あなたには、いまだに包括的な計画がない。私はマスク着用を奨励し、迅速な検査体制を整える。ビジネスや学校を安全に再開するための国家的な基準を設定し、そのための財政資源を提供できるようにする。私は、この危機を終わらせる”と訴えていました。

 

2.トランプ大統領の迷言

私は、トランプ大統領ご本人を直接存じ上げませんが、米国における新型コロナ対策についての大統領のコメントには、かねてから驚きを通り越して、米国民が気の毒になっていました。この記事が、メルマガに掲載されるのは11月15日です。順調にトランプ氏からバイデン氏にバトンタッチされることを願っていますが、トランプ氏は敗北を認めていません。法廷での闘争をあきらめないと言っています。しかし、米国のコロナ感染状況を変えるには、やはりトランプ氏からバイデン氏への大統領移転が必要です。今、一度新型コロナに対する大統領の迷言を思い返してみたいと思います。

 

2月25日にCDC (米疾病予防管理センター)がカリフォルニア州で初の国内感染者を確認し、米国内感染拡大の危険に言及しました。

2月27日:トランプ大統領は「感染者は15人だが、なんら心配ない。ウイルスはある日、奇跡のように消えてなくなる」と発言。

3月6日:「私は(ウイルス学を)理解できている。みんな、私の知識に驚いている。医者が私になぜそれほど詳しいのですかと聞くんだ。天性かもしれない」と発言。

3月11日:WHO(世界保健機関)が「コロナウイルス・パンデミック」を宣言。

3月13日:米国で緊急事態宣言が発令された。

3月17日:記者団からこれまでの楽観的な見解を変えたのかと聞かれて、「私は最初から深刻だと思っていた。みんながパンデミック(世界的流行)という前からパンデミックと分かっていた」と発言。

4月23日:新型コロナウイルスに感染した患者への治療方法をめぐっての記者会見で「紫外線か非常に強い光を体内にあててみてはどうか。また、消毒液はあっという間にウイルスに効くようだ。注射したりできないものだろうか。興味深いと思う」と発言。東部メリーランド州では緊急通報用の電話番号に100件以上の問い合わせが寄せられ、州の保健当局はツイッター上に「消毒に関連した製品が注射などの方法で体内に投与されることは、どんな状況でもあってはならない」と注意を呼びかけました。

4月30日:「世界保健機関(WHO)は自らを恥じるべきだ。まるで中国の広報機関のようだ」と発言。

5月8日:「新型コロナウイルスはワクチンが無くても消滅する。そして、一定の期間が過ぎたらもう見ることはないと願っている」と発言。

5月19日、「感染者が多いのは悪いことだとは思わない。ある意味良いことだと思う。我々の検査がずっと良くなったことを意味するからだ。名誉の印だと思っている」の発言。

7月4日:トランプ大統領はホワイトハウスで行った独立記念日の演説の中で「新型コロナウイルス感染者の99%は、完全に無害」と発言。ジョンズ・ホプキンス大学からの報告では、7月4日の時点での米国における新型コロナウイルスによる死亡率は4.6%。CDCの推計によれば、3分の1の症例は無症状だが、症状のない人や軽度の人でもウイルスを他人に感染させることがあり危険性に変わりはないと報告されているのにです。

7月6日:トランプ政権は、WHOからの脱退を、国連のグテーレス事務総長に6日、正式に通知し、1年後の来年7月6日に脱退すると表明しました

7月28日:抗マラリア薬ヒドロキシクロロキンについて、「信じている。私は服用した。知っているだろうが、私は14日間、服用した。で、ご覧の通り、ここにいる。早い段階のほうが効くと思う」と発言。現在、一応効果があるのではないかとされているのは、レムデシビルとデキサメサゾンです。実は、6月16日にアメリカFDA(食品医薬品局)は、新型コロナウイルスの感染症の患者に緊急的な使用を認めてきたマラリアなどの治療薬「ヒドロキシクロロキン」に関して、検証の結果、治療効果はみられないとして、使用許可を取り消すと発表しています。

9月22日:「われわれはこの疫病を世界に振りまいた国、中国の責任を追及しなければならない…中国政府、そして事実上、中国に操られているWHOは、ヒトからヒトへの感染を示す証拠はないという偽りの宣言をした」と発言。新型コロナを恨むなら中国を恨めとの論点のすり替えが行われています。

10月2日:「今夜、大統領夫人と私は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査で陽性と診断された。ただちに隔離と回復のプロセスに入る。共に乗り越えていく!」とツイッター上で表明。

10月5日:入院からわずか3日で退院し、ヘリコプターでホワイトハウスへ帰還すると、ツイッターへの投稿で「新型コロナ感染症を恐れるな。コロナに人生を支配させてはならない。トランプ政権下でいくつもの素晴らしい治療薬や知識が進展してきた。私自身は20年前よりも調子が良い」と述べました。その治療には、デキサメサゾン、レムデシビルに加え、米製薬大手リジェネロンが開発した実験段階の抗体治療薬が投与されたとのことです。

10月8日:米国ミシガン州ウイットマー女性知事拉致未遂で、容疑者(白人至上主義者)13人が逮捕されました。

10月17日:大統領は中西部ミシガン州で開いた選挙集会で、彼女(米国ミシガン州ウイットマー女性知事)が進める新型コロナウイルス政策を批判し「知事に州経済や学校を再開させねばならない」と訴え、聴衆から「彼女を収監せよ」とコールが上がったのに対し「全員収監だ」と応じたのです。

10月19日:18日に放映されたCBSテレビのインタビューで国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長が、トランプ氏がマスク着用を拒否するのは「マスクを弱さの象徴と考えているから。科学的根拠に基づくものでなく『主張だ』と指摘し、感染予防策が不十分だったトランプ氏の感染に驚きはない」と答えているのに対して、トランプ氏は、ファウチ所長を「ばか者」と繰り返し批判。

10月30日:トランプ大統領は、遊説先のミシガン州で、米国の医師はコロナ感染症の死者数でうそをついていると証拠を示さずに主張。死因がコロナであればより多くのお金が支払われるので、死者数をつり上げていると訴えたのです。

【参考】

https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/medicine/detail/remedies.html

 

3.バイデン氏へのエール

新型コロナを軽視し続けたトランプ氏は、感染拡大を抑え込む包括的な戦略を最後まで打ち出すことができませんでした。バイデン氏は、当選確実を受けての8日の勝利演説で、コロナ対策なしに経済は再生しない、科学者をアドバイザーとして、新型コロナウイルスの対策委員会を発足させ、来年1月の大統領就任直後から、決めたことを実行できるようにすると表明しました。心からの応援を送ります!!

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